●[インターネットのココロ]
どんなパソコンでも、必ず罹っている「持病」があることをご存知ですか?。
14.完治の難しいパソコンの持病
病気といっても、ウイルス感染などとは違いますし、重大な致命的な病いでもありません。パソコンという複雑怪奇な道具ならではの問題がある、ということです。
一般的に商品は、問題のない、不良のない状態で世に出されるのが当たり前。ところが、パソコンやパソコンソフト(ゲームソフトなども含む)では、必ずしもそうではないのです。もちろん、不良品を売っているわけではないのですが、「問題が起こらない状態」ではない。これはパソコンソフトが、他の商品とは比べようもなく複雑で、多用途で、しかも変化を含んでいるせいです。
世の中にあるほとんどのモノは使用目的が決まっています。炊飯器で顔を洗う人はいませんし、洗濯機をベッドにしている人もいないでしょう。ところが、パソコンだけは「何に使うかわからない」道具なのです。ワープロに、経理に、ゲームに、作曲に、絵画に・・・。趣味から仕事まで、実に様々な用途に使われます。しかも、インターネットという「自分以外のどこか」とも連携するのです。
特にインターネットでは、世界中で毎日新しい何かが生まれ、それがすぐに世界に広まります。そのパソコンを製造したときにはなかった「何か」が、毎日出現し、使用中のパソコンに影響していくのです。
こんな状態だから、作るほうもあらかじめ何に使うかも、どんな環境で使うかもを決められずにパソコンを製造することになります。想像もしていなかった使い方をされたり、想定外の環境が出現するかもしれません。この問題は、製造段階で予想できない類いのことか、予想できても、そうなってからでないと対策が打てない類いのことになります。パソコンやソフトのメーカーでは、そういう問題に対応するために、「バージョンアップ」といった方法で、新しい状況や想定外の使用に対応しようとします。つまり「出荷時にはやれなかったことを後で直す」わけです。
そういうわけで、パソコンとは、最初から何がしかの問題を抱えている、と考えたほうが正しく、これは「長年患っている完治の難しい持病」と上手くつきあっていくようなものなのです。わずかながらも「持病持ち」なんだ、ということを心に留めておかないと、余計にいらいらしたりすることになりますよ。