●[インターネットのココロ]
今や小学校でも当たり前にパソコンを使う時代になりました。我が家の小学五年生の娘も、パソコンクラブに入っています。でも道具を正しく使うに分別は置き去りになっていないでしょうか?。
21.パソコン教育とインターネット
次の文章で「自転車」を「パソコン」に、「町」を「インターネット」に置き換えてみてください。
「お父さんは、小学生のA君に自転車を買ってあげました。練習して乗り方を覚えたので、町に一人で出かけていきます。どこへ行くかお父さんにはわからないので、いかがわしく危険な場所に行くのも仕方ないと思います」
・・・いかがです?。これでいいと思う親御さんは少ないのではないでしょうか?。
現実の町がそうであるように、インターネットにも(現実以上に)安全な場所もあれば危ない場所もあります。いかがわしいモノもあれば、反社会的な人もいます。襲われたり、さらわれたりする危険度も同じようなものです。ただし、襲われるのは精神、さらわれるのは心です。おかしな考えに染まってしまったり、極度に過激な映像に惹きつけられたり・・・。
そもそも、仮想空間であるインターネットでは、大人と子供を区別しません。つまり子供であっても大人の分別を求められてしまうケースが多いわけですが、子供はまさに、それを学んでいる段階。偶発的に「危険な誘惑や考え」に出会ってしまったとき、十分な知識、自制心、判断力を身に付けた大人であれば自己防衛できることでも、まだ未発達な子供の心は、何の防御もせずに接してしまいます。

子供にはインターネットを使わせるな、とまでは言いません。インターネットは便利なだけでなく「知の宝庫」です。新しい考え方に触れて目を開かれる、といった素晴らしい出会いも多々あります。ですが、まだ分別が未発達な子供たちが、混沌とした世界に出かけるときには、せめて大人がそばにいて見守ってあげるべきでしょう。
学校も含めて、パソコンの指導は操作方法や理屈に走りがちですが、近ごろのパソコンはテレビゲームよりよほど簡単です。教えなくたって、そのうち覚えます。指導する先生よりも子供の方が詳しいかもしれません。
本当に身に付けるべきは正しい知識と判断力であり、それはパソコンとは関係ないもの。テクニックだけではない「自転車の乗り方」を指導していきたいものですね。