●[インターネットのココロ]
私の本業は実は「漫画家」。仕事にパソコンを使いますが、結構古いシステムをあえて使っているのです。そのわけは・・・。
25.バージョンアップはノルマじゃない
パソコンを使っていると、バージョンアップという知らせが来ます。ようするに新しい機能が追加されたり不具合が解消されたりするサービスですね。ウインドウズ2000から、ウインドウズXPへという具合に、パソコン本体も、使っているソフトも、どんどんバージョンアップされていきます。最近はインターネットを通じて、パソコン自身が勝手に自らをバージョンアップするようなこともあります。
さて、私は元々が漫画家で、コンビニやキヨスクで売られているような一般的な漫画誌でデビューし、今は広告制作会社を経営しながら、企業向けの「広告漫画」を専門に手がけています。ホームページ制作なども専門でキャリアは長いですが、漫画は十九歳でデビューして以来だから、もっと長い。もう二十年以上、描き続けています。
今では漫画制作にもパソコンが使われていますが、はい、そこで最初のバージョンアップの話に戻ります。私は、もう何年もバージョンアップせずに、旧型のシステムで使い続けているのです。
それは、そのシステムが私の制作スタイルにあっているからです。パソコンがどんなに普及したって筆文字の良さは変わりませんし、昔ながらのやり方で作るものが無価値になるわけではありません。それと同じで、私は私に合ったシステムとソフトで描きたい。一番馴染んだソフトをそのまま使うほうが、ずっと良質な仕事が出来ることもあるわけです(むろん、仕事柄、最新のモノも持ってはいますが)。
バージョンアップは確かに便利なサービスではありますが、機能が追加されても「余計なお世話」であることも多いものです。ですから、例え無償サービスであっても、バージョンアップに応じるばかりが正しいとは言えないのです。
本当は、その機能は本当に自分に必要なのか、そのバージョンアップを行わないとどんな弊害があるのかなどをちゃんと検討して、必要な対処をすべきです。パソコンの知識習得は、そういうことのために必要と考えてもいいでしょう。専門的な知識でなくてもよく、要はメーカーや販売店の言うことを理解して取捨選択できるようになりましょう、ということです。難しいから何でも言いなり、では、損をするばかりですから。