●[インターネットのココロ]
情報化社会と呼ばれていますが、人間はコンピュータじゃありません。情報を取捨選択するゆとりも大切なのです。
29.情報断食のススメ
情報断食、というコトバをご存知でしょうか。
これは、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどからの情報を一時的にシャットアウトして、意識的に情報を得ないようにすることを言うそうです。
「情報が時代を征する」などと言う言葉があるように、変化の著しい現代社会では、情報はとても重要です。ビジネスを左右するのも情報ですし、知らないと損をしたり、思い掛けないトラブルになったりすることもあります。コンピュータがこれほど発展したのも、仕事上でも生活でも、「情報処理」が重要な時代だからです。
しかし、その反面、情報が届かないことを恐れて、寝ているときもケータイの電源を切れない、といった人も増えているようです。ネットワークとつながっていないと不安で耐えられなくなる「インターネット依存症」になってしまう人もいます。
知らないことが怖い。仲間外れになりたくない。強迫観念にとらわれて、自分を見失ってしまったりするのです。
何のために情報を得るのか、その情報と自分はどう関係し活用するのか、ちゃんと見えていなければいけないのです。そこで、情報断食。外部からの声を遮断して、自分を見つめ直す時間を持つようにするわけです。
筆者の場合、携帯電話は持っていますが、よほど緊急のことでない限り掛けることはありません。原則的に、お客様には携帯の番号を教えないことにしているので、掛かってくることも滅多にありません。2〜3週間、携帯をまったく使わないことも珍しくないので、電源が切れてしまっても、全然気にならない。
また、外出先や自宅など、会社以外では、まったくインターネットを使っていません。社内にいるときも、デザインを考えているとき、漫画を描いているときなどはメールソフトも閉じてしまいます。考えに集中するためには、外野の声が邪魔だからです。電話にも、出ません。
職業柄、様々な情報(知識)は必須ですが、情報を得たからには、その検討時間も必要になります。情報が大事だからこそ、片手間には扱えない。だから、無制限に情報を得たりはしないのです。
現代社会はあまりにも多くの情報が氾濫しているため、何を信じていいのか分からなくなって、混乱してしまうこともあります。
「知らない人は、いいようにされちゃいますよ」と言い放った時代の寵児は逮捕されてしまいました。知っていることは、必ずしも幸せや成功を約束しません。必要になったら知ればいいのであって、詰め込む必要はないのです。
知ることより、得た知識をどう使うのかという、心の問題が大きいわけです。自分を見失って右往左往しないためにも、ときどきは情報断食してみるのもオススメです(不安な人はプチ断食でもいいそうですよ)。