●[インターネットのココロ]
ついつい過ちを告白しちゃった、そんなことって誰にでもあります。でも、告白するためにわざわざ過ちを犯す、そんな人もいるみたいです。
43.ネタがほしくて罪を犯す?
先月11日、ペットの小動物「フェレット」を虐待し、その映像をインターネット掲示板で公開した三十歳の会社員が、動物愛護法違反容疑で逮捕されました。ペットの頭を殴ったり、首をしめて呼吸困難にさせる映像を掲示板に投稿したらしく、映像を見た多くの人たちが警察に通報したり捜査嘆願書を出したそうです。

今はブログやSNSなどで、個人でも多くの人に「ネタ」を発表できる機会が多いのですが、ネタに窮してくると、トンデモないことを書いたりする人もいます。このフェレット虐待をした人は、仕事のストレスでやったと供述しているそうですが、恐らく罪の意識はなかったのでしょう。以前、自らの万引きをバラエティ番組でカミングアウトした女性タレントもいましたし、亡くなったお子さんの写真をホームページに掲載していた小学校教師もいました。共通しているのは「このくらいは、みんなやってるはず」「許容範囲だ」と考えているということ。冗談ではありません。万引きくらいはいいよね、なんて思っているわけがないでしょう。なぜ、そんなことが分からないのでしょう?。

インターネット掲示板でも、近所の井戸端会議でも同じことですが、慣れてきて親しくなっていくと、色々なことを告白したりすることがあります。1つの過ちもないなんて人はいません。わずかなスピード違反、こっそりポイ捨て、つい子供をぶってしまったなど、誰でも経験のあることです。そういう話題で盛り上がって、あるいは話題に窮して、ウケたくて、つい余計なことを言ってしまうこともあるでしょう。そして実際にウケる、あるいはウケたと感じることも多い。

最初は、そんなことだったと思うのです。軽率な行為には違いないですが、抱え込まずに告白することで心を落ち着け、許しを得たかった。反省するためだった。それが、井戸端会議で盛り上がって、楽しかったという体験を繰り返すうちに、逆方向にあふれ出していく。過激になっていく。罪の意識が小さくなり、ウケたい、楽しみたいという気持ちの方が大きくなっていくような気がします。会話のネタがほしい。そんなことでも、犯罪に走ることがあるということなのでしょう。
人は、過ちを犯す。過ちと付きあっていくことが人生のような気もします。逃げ切れる人はいないと言っていいでしょう。だけど「これくらいはいいよね」と、屈してはいけないのだ、と思います。