●[大人はもっと楽しく生きろ!]
03.いいところを伸ばす
算数がキライだから、そこを重点的に。
そうおっしゃる親御さんが多いみたいだけど、そう言っているご本人は、本当に嫌なことを真剣にやり続けられるのか?。いついつまで我慢しようとか、期限があるわけじゃなく、ずっとやらなきゃならないんですよ?。
自分には出来もしないことを棚に上げて、子どもには要求する。大人の悪い癖だ。
多くの大人はみんな子どもは未熟だから指導しなきゃ、注意しなきゃ、といった考えを持っているけれど、実は子どもの方がずっと真面目で我慢強いしルールも守る。
地域の運動会に行ってみよう。
子供たちはキチンと並んで手足も揃えて、無駄口を聞かずにキレイな行進をするが、親はどうか。集合はダラダラ、手足もバラバラ、無駄話で笑っていて真剣さなど微塵もない。先生たちの演技はさすがに無駄口はないが、キレイに揃っているとはお世辞にも言いがたい。軍隊みたいな入場行進は正直嫌いだが、とにかく自分たちができないことを子どもにはやらせているわけだ。
子どもには危ないから信号を守れ、と言っている親が、車が来なければ平気で赤信号を渡る。スピード違反、ゴミのぽい捨て、ちょっとした違反なら誰もが覚えがあるだろう。悪いことを見て見ぬふりをしちゃいけない、という道徳の授業参観を見たが、そう言っている先生は、例えば暴力団に出くわしたら注意できるのか?。
娘のクラスメートの家に遊びに行く約束(娘ではなく私が約束した)をして、当日行ってみたら留守だった。後日聞いてみたら「大人は嘘つきだから本当に来るとは思わなかった」と言われた。翌週、改めて遊びに行ったら「本当に来た!」と驚かれた。
子どもは本音と建前をちゃんと見抜く。正しいこと、守るべきルールを指導するのはいいが、押し付けるのはよくない。
なお、最初の苦手科目のことだが、苦手だけを重点的にやらせるより、好きな科目と一緒に伸ばすほうがずっと効果的だと思う。人間の能力をグラフ図にすると山なりのカーブを描く。会社で部下を指導するときもそうだが、へこんでいる部分を無理やりどうこうするのではなく、いい部分を刺激して、山全体の底上げをして相対的に苦手部分もアップさせるほうが、ずっと覚えも早いのだ。それで手ごたえを感じれば、一気に苦手克服も珍しくない、と思う。