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14.ボクは仕事に「情」が不可欠だから情で仕事しているよ |
広告マンガは、依頼主からお題をもらい、それに従って描く。
マンガそのものの成否じゃなくて広告商品の成功のためにあるから、漫画家の成功を望むのではなく、依頼主の成功を優先させなければならない。
そういうビジネスなんです。
ある意味で、広告の仕事は水商売。
デザイナーもイラストレーターも漫画家も、それぞれクリエイターなんだけれど、自分の世界を追求する芸術家と違って、他人がキモチよくなるために仕事しているんだよね。
ちょっと暴言だけど、オリジナル作品が愛のあるセックスなら、広告マンガは風俗的と言えるかも(これも漫画家が嫌がる理由だろうな)。
で、実はボクも「身体だけのお付き合い」じゃイケないタイプなんですね(笑)。
「創造的な仕事」はメンタル的な部分が大きく影響します。
マンガやホームページやパンフというカタチはあるけれど、本当に買ってもらっているのは「アイディア」のはず。いいアイディアは本気で相手のことを思いやるからこそ出てくるんだと思っています。
相手のことが好きじゃないと、本当には相手のことを考えることができない。考えたつもりでも、それは「つもり」。たぶん本気じゃない。
だから、ボクは、お客を選んでいます。
厳密には選ぶんじゃなくて、合わないお客との取引は続かない、続けようとしないって感じかな。逆に好きになったお客とは、金額なんか無視してつきあいます。ときには片思いであってもね(片思いでアプローチしているときが売り込みってコトですね)。
ボクは仕事に「情」が不可欠だから、情で仕事している。
ただ、本当は、広告のクリエイティブ・ビジネスっていうのは「カラダだけでイケるようにシステム化すること」だと思うんですよ。
広告代理店や企画会社ってのは、「情」が不可欠なアイディアマンやコンテンツ・クリエイターが「会社と恋愛」することで、会社をクッションにして依頼主を満足させるということだと思っています。
愛すべき会社、上司、同僚、仲間のためだから本気で考えることができる。
だからクリエイターはあまり営業現場に出さないんです。お客とSEXさせるとイケなくなるから。
(ボクは、不特定多数の客を獲得するために、このシステムを作りたくて、それで以前は会社に所属することを選んでいたんだけど、社員たちがドーテイのままで、結局ボクが出ていかなきゃならないことばかりで、イミがなくかったので、辞めちゃったんです。社員相手でも自分だけイキたがるようなヤツばっかりだったし)
でも、ボクは諦めちゃったわけじゃないです。
会社組織じゃなくてもいい。ユニオンでも、NPOでもいい。
いつか、みんな(お客も)がキモチよくイケる場所を作りたいなと、今でも思っています。
そのためにも、ボクは広告漫画家を続けていきたい。
これも、そういう可能性の1つだと思うから。
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