●[自分の力でやった人たち]
01.序文(あるいは、どうやって私はwebデザイナーになっていったのか)
初めてホームページを手がけたのは、1996年の春だった。

・・実はホームページ制作の仕事があるんですが、
誰も作れる人がいないんですよ。できませんか?

当時、メインで付きあっていた広告代理店からの依頼であった。

もちろん、できますよ。1ヶ月位いただけますか?

気軽に引き受けたものの、実はホームページの事はチンプンカンプンで、どうやって作ればいいのか、まったく分からない。大慌てで専門技術書を読んだが、宇宙人の言葉のようで、書いてあることが理解できない。
仕方なく超初心者向けの本を買って、1つ1つ試してみた。

<HR>
おっ、線が引けた!
<B>
おぉっ、字が太くなった!

そんな感じで作っていった。インターネットを使う事自体、初めての経験で、慌ててアサヒネットのダイヤルアップ接続を申込み、既存のホームページを片っ端から見た・・・。

あれから7年が過ぎ、その間に山ほどのサイトを作った。
直接、企画から制作まで全部を担当したものがほとんどだったが、
関係者として携わったものも数えると、その数は200を超える。

成功したサイトもあれば、廃れてしまったものもある。
なぜ、成功したのか。
どうして廃れてしまったのか。
お金をかけてもダメなものはダメである。
一方、小遣い銭程度の費用でも大成功を収めることもある。
それは運、ではない。
企画力やサイトのデザインは確かに影響するが、それだけでもない。
有名商用サイトに登録してバナーまで出しても売上にはつながらない場合も多い。

7年の時をかけて、実感したこと。
やるか、やらないか。
実は、それだけの違いだったと思う。
しかも難しいことではない。
技術的には、ワープロさえ打てればいい、という程度のことである。
内容も、専門家でなければできないような事ではない。
それでも、やったサイトは上手くいき、やらなかったサイトは消えていく。

成功した人たちは、何をやったのか。
本項で紹介している事例は、すべて実際に筆者が手がけ、体験したものである。コストは数万円から、多くても数十万程度が中心で、大半が中小企業である。
ネットで億万長者、といった大成功を収めるのは、今や難しい時代だ。
だが、ネットを活用することで新しい価値を見いだしたり、お客様とより近い関係を築き上げるのは、決して難しいことではない。