●[やりたくないユーザーたち]
02.メールにhttp・・??
電子メールアドレスに「http...」と書き込む。
インターネットを普段から活用している人たちから見れば笑い話でしかないが、これが企業のIT担当者で、しかも私たちの取引先だったりすると、笑顔も引きつる。
彼はホームページURLとメールアドレスの区別が付いていなかったのだ。

知らないことよりも「知っている気になっている」ことの方が、怖い。
マスターベーションだけでSEXを経験した気分になっているようなものだ。
先の担当者は、そのことを指摘してさえ「こないだは送れたはずだ」と言い張っていた。

パソコンやインターネットを理解しようとしない人たちの多くは、本質的には「食わず嫌い」である。パソコンが無くても困らない、という人が多いが、知らないだけであって、本当は使えば便利なものなのだ。
彼らの多くはメディアの過剰な報道などに気圧されて、「パソコンを使いこなさなければならなくなる」という、恐れに似た感情を持っている。パソコンに使われる、という気持ちさえあるのかもしれない。
だが、パソコンはただの道具なのである。アンテナや配線工事を業者に任せてもテレビやビデオは使える。実際、すべての機能を使いこなしている人など、ほとんどいない。私自身だってそうで、普段使っているソフトだって、機能の全てを知っているものは、たぶん、1つもない。
パソコンを知らない人には、すごく見えるけれど、本当は対したことはやっていないのだ。
文字を打つだけとか、インターネットを見るだけでもいいのだ。

IT知識がないことは恥ではない。
昨日今日にインターネットをはじめた人と、何年も使っている人では、能力に差があるのは当たり前なのだ。パソコンを買えばそれで追いつくわけではない。
パソコンやインターネットは覚えるより慣れることが大事だ。特に、パソコンは日進月歩で変わってしまうから、操作を覚えたと思っても、すぐに役に立たなくなる。
とにかく、使ってしまう。
そうやって1つ1つ体で覚えていくのだ。

インターネット活用に出遅れている人を「デジタルホームレス(→反対はデジタルリッチ)」と呼ぶそうだが、私はそうした人たちを「デジタルベビー」と呼んでいる。
彼らは未成熟なだけで、その気になれば真綿が水を吸い込むように理解していく。
なまじ、中途半端に知識のある人よりも、素直なだけ成長も早い。

聞きかじりの知識など、すぐにボロが出る。無用な見栄などは捨てて、さっさと使ってしまうのが賢いデジタルリッチへの道だ。