●[やりたくないユーザーたち]
11.どうしてそうなの?メーカーサイト
私の趣味はオモチャのコレクションである。いい年して、と言われそうだが、それでも止められない。新製品が出ると聞けば、そのメーカのホームページをチェックする。
また、クルマを購入するときにもメーカのサイトでチェックしたし、セールスマンがやってくると、その会社のホームページを見ながら話を聞く。

・・が、玩具に限らずメーカーのサイトで、本当に欲しい情報が得られる可能性は低い。
どこのサイトも簡単な製品カタログと紹介だけ。
雑誌でもテレビでも入手できる情報だけでホームページとして役立つはずがないではないか。

我が家では、分からないことがあると、すぐに調べるように躾けている。
小学一年生の娘にJ社のジャンボジェット機に何人乗れるのか、と聞かれたので、さっそくインターネットで調べたが、J社のサイトでその情報を探すのに30分もかかった。検索でも見つけられないので、関連しそうなページを片っ端から見るしかなかった。
そのサイトには航空機博物館なるコンテンツがあるにもかかわらず、である。

ホームページは、基本的に<目的>を持って訪れる場所である。
あの商品に興味がある、あの会社で面白いモノを出してないか、あのシリーズの続編は?。
にもかかわらず、雑誌や広告で見飽きた情報をまた見せられてはウンザリである。
名を上げれば誰でも知っているような大手のほとんどが、自己満足としか言えない<使えないサイト>なのだ。
既ユーザ向けならば、開発スタッフの熱意、裏話、リリース予定など、商品の魅力を訴える情報、新規ユーザ向けならば、商品の位置付け(例えば、人気番組のキャラクターグッズだとして、その番組をよく知らないお父さんが子供に買ってあげる時に指針となる)情報などが大切だろう。

子供の頃、某オモチャメーカが出した人気玩具があった。男の子向けのロボット玩具で、当時としてはちょっと高価なオモチャだったが、ヒット商品となりシリーズでいくつもリリースされた。
(最近、フィギュアブームのおかげで再発売されている)
このとき、友人が当時の人気アニメ(合体ロボの元祖)のロボットを買ってもらったのだが、父親はそのアニメにロボットが何体も登場することを知らなかった。そのため、もっとも人気がない3号ロボを買ってしまったのだ(売れ残っていたのだろう)。欲しいのは主役の1号なのに、よりによって人気のない3号ロボ。形状も他のシリーズと異なるため、別売りで買ったオプションも使えない。この子はこの事件以来、学校で「3号ロボ(もちろん本当は番組中の名前だ)」のあだ名で呼ばれるようになってしまった。

これは、笑い話では済まされない。
親は子供の期待に応えられないばかりか、使えないオプションまで買わされた。子供はあだ名まで付けられて、いじめの誘発にさえ発展しかねない。メーカーなりショップなりが商品についてフォローしていれば、こういう問題は回避できるはずなのだ。
例に挙げた玩具やゲームの場合、経済力のない子供に代わって親が買うわけだから、子供との商品知識に関するギャップを補完する情報が重要になる。

当時としては難しかった、こういうフォローが出来るのがインターネットの強みなのだ。
メーカーのサイトでは、広告だけではフォローしきれない情報をちゃんと掲載して消費者や販売店をサポートするべきだろう。
インターネットを広告スペースとしか考えないようでは、これからのWEBサイトはやっていけないのだ。