●[WEBクリエイターの2900日]
11.リスクから逃げすぎですよ
新しいことに挑戦するときは、必ずリスクが伴うのはアタリマエ。リスクから逃げ回っていては何も出来なくなってしまう。
先日、ある事業計画で「お客様相談室」の設置を決定し、その方向で広告企画を進めていたのだが、これが白紙撤回になってしまった。試しに相談を受けてみたら思いのほか厄介だったので止めておこう、と考えたようだ。広告自体が消えるわけではないので、私の売上には影響ないが残念だ。
相談室を設ければ厄介なコトが起こるのは必然と言っていい。最初から迅速で適切な対処が出来るとも限らない。だが、やらなければ、いつまでたっても現状のままではないか。最初はトラブル処理に追われて大変な思いをすることもあるだろうが、その経験自体が財産になるのだと私は思う。

WEBサイトにも同じことが言える。
面倒だから、大変だから、とオンラインでの対応から逃げ回っていては、ちゃんとやっている会社との競争に勝てるわけがない。もちろん、最初からなんでも対応できるはずもあるまい。できることから始める。そして、続けていくことだ。上手く行かないときは、なぜそうなのか考えよう。掲示板の世話までは続けられそうにない、というなら止めてしまうべきだし、管理手順が煩雑だというなら、システムの見直しをすればいい。
大事なのは、やってみないと何も分からない、ということだ。
まず、やる。やりながら考える、作り直す。失敗やトラブルも受け入れる。その体験を生かしていくことが一番の方法だ。逆に聞いただけで知っている気になってしまうのが一番怖い。

インターネット黎明期、WEBサイトを立ち上げたのは日米でほとんど同時期だと言うが、その後の経緯は大きく異なる。アメリカ人たちは、とにかく実践、やりながら工夫していく道を選び、日本は何が出来るか検討しよう、という対応をした。日米の環境の違いはあるが、それでも、やった人とやらなかった人では、大きく差が出て当然なのだ。実戦を繰り返して得たノウハウほど強いものはない。
私は今、「クライアントが続けていける」ことを前提に企画提案している。継続できる方法でない限り、私たちのアイディアがクライアントの財産にならないからだ。

※この「ヤルかヤラヌか」でも様々な意見を書いているが、こんなモノは参考意見に過ぎない。なお、同様の意見がマーケティングコンサルタント・三石玲子氏のサイト「M&M研究所(リンクを張るのはオコガマシイので検索で探してみてください)」にも書かれていたが、彼女の場合は謙遜と言うべきだろう。彼女のコラムは(私と違って)実に有意義だ。

(2003年7月、惜しくも三石玲子氏は亡くなられた。中小企業のIT活用推進においてとても頼りになる方だった。三石氏の跡を継げるほどの能力はないが、できるだけ三石氏に近づけるよう、努力と研究を続けていきたいと思う。慎んでご冥福をお祈りいたします)