●[WEBクリエイターの2900日]
16.ホームページはノイズ
何年か前のことになるが、マンガ「こち亀」でインターネットを取り上げていた。その時の説明が実に上手い。
「インターネットという世界があって、プロバイダは旅行代理店、企業のHPは駅や町中の広告だ」
う〜ん、まったく正しい。
当たり前のことだが、インターネットを利用することと、企業のHPを見ることはイコールではない。本来の目的があって、ついでにどこかのHPも見ちゃう、というのが正しい。
つまり企業HPは「ノイズ」なのだ。テレビにCMがなければいいなぁ、と思うのと同じで、使い慣れてくればくるほど、カットしがちなのだ。
こんなアタリマエを、勘違いしている企業の皆さんが多い。自分が積極的にネットを楽しんでいない(使ってはいる)から、それがわからない。
マーケティングスタッフでもない奴がCMを観るためにテレビをつけるものか。観たいのは番組の方でしょ?。実際、「モーニング娘。」や「浜崎あゆみ」、有名なアニメなどのサイトは集客力もある。
ま、それに気づいて、ホームページに何かのコンテンツサービスを付ける例もあったのだが、人を集めるほどのコンテンツを維持する知識も費用もないから、結局中途半端になる。

インターネットという世界規模の空間で勝負している、と思う人が多いだろうが、実はそうではない。利用者から見れば、世界は本人のブックマークの中にある。
そろそろ、気づくべきではないか?。
企業のホームページなんて「広告」に過ぎない。みんな見たくないのだ。そのことを理解した上で、集客を考えなければならないのだ。折り込みチラシと同じようなものだが、同時に折り込まれる数は比較にならないくらい膨大だ。ネットショップでナンバーワンを目指すとか、集客できるだけの商品を持つとかが最善の手だが、一般の中小企業ではそれも難しい。
ならば、どうするか。
受け入れてもらうことだ、と私は思う。記憶の奥底に、閲覧履歴のはじっこに、名刺ホルダの片隅に。
出会いの機会はそれほど多くない。その少ない出会いを、どれだけモノに出来るか、それが中小サイトの方向だと思う。いつか、誰かのブックマークに加えてもらうために。