●[インターネットのココロ]
大きな社会問題になったライブドア・ショック。IT関連企業というが、そもそもIT企業って・・・?
28.IT関連企業ってナニ?
ニュースや新聞では、ライブドア、楽天、ソフトバンクなど、何でもかんでも「IT関連企業」と呼び、まるで急成長企業の代名詞みたいですが、筆者の会社だってIT関連企業です。ですが「関連」の中身は、それぞれまるで違い、主な営業内容も収益基盤も異なっています。
まず野球で有名になった「楽天」ですが、ここのメイン事業は「楽天市場」というオンラインモール。いわばショッピングセンターを建設・運営して、その加入テナントから家賃と販売利益の一部をもらう、そういう会社ですから、お客の多くはお店や企業。いわゆる「B2B(ビジネスtoビジネス)」で、インターネットの中で商売している企業だから、IT関連企業の名に恥じないと言っていいでしょう。
ソフトバンクは、インターネット接続サービス「Yahoo!BB」が有名で、実際、同社の中核事業でもあります。つまり、インターネットの世界へ行くための交通網を作っている会社で、こっちは「B2C(ビジネスtoカスタマー:一般客)」が主で、一般家庭も企業もどっちも営業対象になります。「ソフトバンク」が道路を作って、その道路を通って「楽天」に買い物に行く、みたいな感じですね。もっとも、お互いに相手の事業に近いものにも進出していますから、明確な境界線があるわけじゃないですが、とにかく収益の中核がインターネット関連の仕事にあることは間違いないわけです。
さて、話題のライブドアですが、ここも先の2社同様のサービスや事業をやっています。が、先の2つと決定的に違うのが、ITが収益基盤とは思えないことです。新聞などの報道でも分かるようにライブドアのIT関連事業は、まったくの赤字。先の2社も急成長ですが、それでも中核の事業を育てて「商売の中身」を作ってきたわけです。けれど、ライブドアの場合は「中身なし」のままで収益だけ上げたいと考えてしまったように思います。色々な会社を買収し「中身」は他所から買っちゃえ、と(ニッポン放送騒動などですね)。さらに、ホリエモン自身がマスコミに露出(昨年の選挙とか)して話題性も上げて、株価を高めて資産も膨らませようとしたのでは、と思っています。つまりはバブルだったのではないか、と。
そして、その株価操作に違法性があったとして逮捕へ至るわけですが、筆者は、そもそも「商売の中身」を育ててこなかったことに問題があるように感じます。
ソリューションだのストラテジーだの、耳慣れないカタカナが飛び交い、錬金術のようにお金を生み出すと思われているIT関連企業。でも、ITだろうが何だろうが、ちゃんと「価値」を作り、中身のあることをしなければならないのは同じこと。
筆者も、中身のあることを続けていけるように、日々、勉強と研究の毎日です。


■補足
ライブドア事件については、別途、意見をまとめた