●[ごじゃっぺと〜さん]
12.ちょっとイイ話

スマン。これ描いた時「こういうイイ話っぽいのってウケるんだよね」って思いながら描いてた。親としての思いを描いていて、どこにも嘘はないんだけど、やっぱウケるから描いたってトコはある。純粋じゃね〜なぁ。

さて、ボクが大好きなアニメに「未来少年コナン」ってのがある。宮崎アニメではベストだと思ってるんだけど、その第一話でコナンとおじいが暮らす「残され島」に少女ラナが流れ着く。ラナは気を失っていて、なかなか目覚めない。おじいが看病しているのだけど、コナンは不安そうに何度も尋ねる。
「生きてる?」

あの気持ち、親になってみると本当に分かる。
深夜、家に帰って、子供の部屋を覗く。寝相が悪くて布団がフットんでいたりすると、それはそれでオイオイと思うんだけど、スヤスヤ寝ていても心配になる。ときどき、寝息さえも聞こえないようなとき、あるでしょ?そうなると、もう「生きてる?」と不安になって、つい反応があるまでツンツンしちゃったりする。赤ん坊のときは特にそうだったけど、中学生になっても、やっぱり「生きてる?」は変わらなくて、ツンツンしちゃうんだ。
でも起こしちゃったら可哀想でしょ。で、我慢して、寝返りするまで、じぃ〜っと待ってたりもする。穏やかな寝顔が、逆に怖かったりもするんだよ。親って、本当にバカだ。

一昨年から犬を飼いはじめた。毎朝、ハウハウとじゃれついて来てくれる。すげ〜可愛い。
でも、朝、最初に思うのは「よかった、生きてた」なんだよね。夕べ元気だったから今日も元気とは、どうしても思えなくって。娘も妻も愛犬も、毎日生きてて嬉しい。

PS
そういうのは仕事でも一緒。さすがに「生きてる?」ではないんだけど、スタッフに対しては「よかった、今日も来てくれた」だし、クライアントには「よかった、今日も仕事は続いてた」だな。連載の契約があっても、それが続くと信じ込んだりはしないし、社員だから毎日来るのがアタリマエだと思ったりはしない。
だから、毎日、スタッフの顔を見る度に「来てくれてありがとう」って思う。
そう思うようになったのは、たぶん娘も愛犬も、幼い時に生死の境をさまようような大病をしたからだと思うんだ。仕事でも、突然それまでやってきたことが崩壊するといったことに何度も陥った。
前触れもなく、そういうことが起こる。それを嫌と言う程味わってしまったから、今日と同じ明日が来るとは思わなくなった。だから、ボクは好きな仕事を一所懸命やる。今日を楽しまないと明日はどうなるか分からないもん。
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