ボク・うるの拓也は個人業として「うるのクリエイティブ事務所」を運営する茨城県土浦市在住の漫画家で、広告デザイナーで、プランナーで、WEBプロデューサーで、時々大学の非常勤講師もしたりするオッサンです。詳しくは当社サイトをご覧ください。
ボクは、ひょんなコトから「時空戦士イバライガー」を知り、やがてイバライガーのポスターデザイン、ホームページなどを担当するようになりました。元々は「外注」として、仕事でのお付き合いのつもりでしたが、なんかいつの間にか、無償で各種コンテンツ開発を手伝うようになっています(オカシイなぁ)。
言っておきますが、ボクはプロです。漫画家として早25年、デザイナーとしても23年、この道で食っています。そしてプロである以上、タダで仕事するってのは、そうそう出来る事じゃない。それで飯を食ってるわけですから、その飯のタネを無償にしたら生活できなくなってしまいますから。
それなのに、なんでイバライガーには無償で協力しているのか。なんでソコまで惚れ込んじゃったのか。
はっきり言えば自分でもよくは分からないので、その気持ちの整理の意味も込めて、このコラムを書きました。まぁ結局は、好きになっちゃったんだから仕方ないってことなんですけどね。
ただ、ボクはイバライガーそのものに惚れ込んだわけではない、とは言えます。特撮アニメファンの一人として、あの姿にも心動かされたし、ブラックのかっこよさにはシビれているんだけど、ボクが魅力を感じているのはそういうことじゃないのです。
コラム本文でも書いていますが、ボクはいくつもの市民活動や地域ボランティアに関わってきました。それは今も続いているし、今後も続けていきたいと思っています。
でも、ボランティアだからこそ出来ないこともあるんですよ。地方自治体とか商工会とか、そういう支援を受けていると、様々なしがらみも出来てしまって自由にやれないことも多いんです。どんないいことだって、あっちの顔を立てて、こっちに許可をもらって・・と、ハッキリ言ってめんどくせぇ!
いっそ誰にも頼らないで自分たちでやれたらなぁ。
そう思っていたところに「イバライガー」が現れたわけです。
そしてボクは、イバライガーを通じて「ヒーロー」は職業として成立するのか、というテーマを見い出しました。彼等が公式にそんなコトを語ったわけではないのですが、ボクは、そういうテーマが見えちゃったわけです。行政とか地域の有力団体などの支援を当てにしないで、自分たちの力で支援者や理解者を募り、そういう活動を続けられる可能性を感じたのです。
ご当地ヒーローには、ご当地に貢献するという宿命があります。つまりご当地ヒーローとは、時に自らの存続よりも地域の存続を優先するという、通常の事業とは異なる価値観を持たざるを得ない。むろん、自らが消えてしまえば地域を守る事もできないのだから、これはあくまでも極論に過ぎませんが、それでもどこかで滅私奉公を求められるものではあるのです。だからこそ、ほとんどのご当地ヒーローはボランティアか、自治体や地域商店街などの支援の元で運営されているのでしょう。
しかしイバライガーは、完全に個人運営の団体。自力で活動を続けているわけです。
それはボクには驚きでした。
もし、イバライガーという活動を健全な状態で継続させることができるのだとしたら、それは職業として「ヒーロー」をやれるということになります。キャラクタービジネスというよりも「ヒーロー=善意の行動そのもの」を職業にできる。
もしも、そんなコトを実現できたら。そして、ボクの暮らす街が、そういう存在を受け入れてくれる地域になっていくとしたら。
ボクはドキドキしました。イバライガーがそういうことを目指しているかどうかは分かりませんが、彼等の進む先には、ボクが近付きたかった場所もあるはずなんです。彼等が「ヒーロー」であろうとする限り、その場所を避けて通る事はできないはずなんですから。
ボクが思い描いたものは、イバライガー自身が目指す未来とは違うかも知れません。
でも、様々な夢を背負って羽ばたくのがヒーローってモンじゃないですか。彼等が本物のヒーローであろうとするのなら、一緒に目指せるモノがきっとある。
ボクが、イバライガーを支援しているのは、こうした理由です。
本業を疎かにすることはできませんから十分に手伝えないことも多い(それが歯がゆい)のだけど、それでもこれはイバライガーの支援というよりも、ボク自身の夢だから。頼まれてやってるわけじゃない。そういう気持ちで、ボクは彼等のそばにいるのです。
このコラムでは、そんなイバライガーとの日々を綴っています。
ボクが夢を追い掛ける日々です。
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