漫画/科学、テクノロジー/一般・青少年向け
カソクキッズシリーズ
Kindle版/各500円+税/既刊10巻(2018年に別巻3巻刊行予定)
■各巻の紹介(解説・試し読み等)
※ページ数はAmazonでの「紙の本の長さ」に準拠しています。

さらなる宇宙の謎に挑むためにカソクキッズが帰ってきた。ファーストシーズン完結から1年の休載期間を経て再開されたセカンドシーズンでは、これまでの「素粒子と宇宙の謎」に加えて「物質と生命の不思議」も扱うことになったため、個々のエピソードのボリュームも、全体のエピソード数も、ファーストシーズンよりも大幅に増えています。
このセカンドシーズンRun 1では、元素のこと、宇宙誕生から現在まで、物質と生命のちがい、様々なスケールごとの世界など、これまでに輪をかけて濃いネタを、これまで以上にギャグ満載で扱っています。また冒頭にはファーストとセカンドの両シーズンをつなぐエピソードでもある番外編「ヒッグス特番」を収録。2012年夏のヒッグス粒子発見当時の様子を伺える興味深い内容になっていると思います。
また、この電子書籍完全版には、本編完結後にKEK一般公開の来場者特典として特別配布された冊子「カソクキッズINDEX」に収録された書き下ろしコラム、本書のために描いたおまけイラストなども各巻に収録しています。そもそもセカンドシーズンは、これまで一度も単行本などの冊子にまとめられたことがないので、これが最初の書籍版ですね(笑)。
※カソクキッズの試し読みは、高エネルギー加速器研究機構のWEBサイト上でどうぞ。試すも何も、本編は全部読めます。
↑このページのトップに戻る

セカンドシーズンRun 2は「みる」がテーマ。目で見るだけでなく、触ってみる、叩いてみる、動かしてみる、推理してみるなど、見えないけれど存在するモノをどうやって知ればいいのかを学んでいきます。「みる範囲」は超ミクロから超マクロまで。DNA、タンパク質、リボソーム、分子と高分子といった生命や物質の構造から、宇宙マイクロ波背景放射、現在の宇宙を生み出したと考えられる「原初のゆらぎ」、インフレーション理論の証拠に迫る重力波の観測、ミュオン(ミューオン、ミュー粒子ともいう)による地球内部の観測など、様々な「みる」を一気に紹介。もちろん、全部ギャグで(笑)。
※カソクキッズの試し読みは、高エネルギー加速器研究機構のWEBサイト上でどうぞ。試すも何も、本編は全部読めます。
↑このページのトップに戻る

セカンドシーズンRun 3は、ファーストシーズンRun 3がそうだったように施設紹介編となっています。さらなる改造を受けて生まれ変わったファーストシーズンでも紹介したKEKの巨大加速器「superKEKB」、加速器でしかつくれない特殊な光=放射光で見えない世界をみる光の工場「フォトンファクトリー」、中性子やミュオンで物質の構造を探る「J-PARC」の物質・生命科学実験施設。どのエピソードも、専門研究者に案内してもらって実際に現地を取材して描いたものです。
偉い研究者さんの前でもギャグレベルは1ミリも落としてないから、今回も笑いながら読み進めてもらえればオッケーですよ(笑)。
※カソクキッズの試し読みは、高エネルギー加速器研究機構のWEBサイト上でどうぞ。試すも何も、本編は全部読めます。
↑このページのトップに戻る

セカンドシーズンRun 4も、ファーストシーズンRun 4にならって「科学的に正しくない設定の科学的に正しいギャグ漫画」編。生命も、単なるモノも、分子や原子、素粒子といったスケールで考えれば同じ部品で作られています。ならば生命と物質はなにが違うんでしょう。ボクはカソクキッズを描き続けることでそんな疑問を感じるようになり、どうしても、その謎に向き合ってみたくなりました。そこで、このセカンドRun 4では「生命のようにみえる生命ではないもの=ロボット」に登場してもらい、素朴だけど答えの出しにくいテーマに挑ませてもらったのです。本当にリアルなロボットがKEKにあるわけじゃないんだけど、生命のように見えることと本当に生命であることは何が違うのかを考えていくには必要だったんです。
劇中ではその明確な答えは出せていないのですが、ボクはボクなりの答えは見出せました。それは別の作品(この電子書籍シリーズで刊行中の『小説版・時空戦士イバライガー』)で語っていく予定です。
なお、生命のフシギだけではなく、相転移、自発的対称性の破れ、量子色力学、場の量子論といった宇宙の謎を知るための様々な考え方も紹介していて、結果的にはむしろソッチのほうが多くなっちゃっています。量子色力学のエピソードでは、ボクが別なプロジェクトで描いたキャラたちがゲスト出演したりもしています。なんとなく『キルラキル』に似た設定のアレなのですが、発表はキルラキルより1年早いし、むしろ意識したのは『プロジェクトA子』だったりして(笑)。
※カソクキッズの試し読みは、高エネルギー加速器研究機構のWEBサイト上でどうぞ。試すも何も、本編は全部読めます。
↑このページのトップに戻る

約8年にわたって連載されたカソクキッズもいよいよ最終章。
このセカンドRun 5前半は、人間原理、J-PARC見学(加速器、ニュートリノ実験施設など)など、ここまでに触れられなかったエピソードで、特に人間原理は研究者の前に立ちはだかる巨大な壁となっているらしくて、作者としても興味深いものでした。
そして後半は、キッズたちが自らの未来を選んでいくエピソードが中心。企画からだと10年近くも付き合ったキャラクターは、作者にとって本当の子供と変わりません。読者の皆さんに科学の面白さを感じてもらうために描き続けた日々の締めくくりとして、万感の想いを込めたラストエピソードをぜひ読んでいただきたいです。
それと、科学解説よりも作品やキャラクターたち中心のエピソードを描くことに理解を示してくれたKEKの方々にも、この場を借りて改めて御礼申し上げます。
※カソクキッズの試し読みは、高エネルギー加速器研究機構のWEBサイト上でどうぞ。試すも何も、本編は全部読めます。
↑このページのトップに戻る