漫画/科学、テクノロジー/一般・青少年向け
カソクキッズシリーズ
Kindle版/各500円+税/既刊10巻(2018年に別巻3巻刊行予定)
■各巻の紹介(解説・試し読み等)
※ページ数はAmazonでの「紙の本の長さ」に準拠しています。

カソクキッズ・ファーストシーズンRun 1では、高エネルギー加速器研究機構(KEK)との出会い、エネルギー保存則、ビッグバンと宇宙の謎、加速器とは、素粒子とは、相対性理論とは、など、カソクキッズという世界で今後描いていく題材全般を扱っています。かなり専門的な科学ネタがたくさん出てくるけど、基本的にギャグ漫画だし、元々が科学が苦手な人向けに描かれているし、作者自身もこれから学んでいく段階だったから、子供でも大人でも気軽に読むことができるハズです。実際、WEB公開版のカソクキッズ読者には小学生が多いし、今までに出会ったファンの方で最年少は、まだ幼稚園のお子さんでしたから。科学なんか知らなくても、十分にお楽しみいただけ……いや、知らないほうがお楽しみいただけると思います。
今回の電子書籍版では、KEKのWEBサイトに公開されているバージョンには含まれていないエピソードなども収録しています。この第1巻では、冒頭のイントロダクションが丸ごと改訂版(2013年にカソクキッズが改題されて単行本化された際に新たに描き下ろされたもの)に差し代わっていて、元々のイントロダクションは巻末に「付録(海外に紹介された際に作成した英語版イントロも収録)」として収録しています。また全編にわたって、ほんの少しですがキャラ絵にも修正を加えています。
※カソクキッズの試し読みは、高エネルギー加速器研究機構のWEBサイト上でどうぞ。試すも何も、本編は全部読めます。
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このRun 2では、いよいよ本格的に素粒子物理学の世界を学び始めます。原子と分子のちがい、クォークなど物質を構成する最小単位である素粒子の世界、電磁気力、強い力、弱い力、重力の4つの力、量子論、物質と反物質の関係に迫る理論、さらに放射線の基礎知識など、次々と専門的なテーマが登場してくるのですが、それをそのまま描いたらオベンキョーになっちゃうよなぁと思い、舞台を海に移して、ひたすら遊びまくりながらの展開にしました。
科学解説は監修してくれたKEKの博士たちがじっくりとチェックしているので間違いないのですが、基本的にはバカばっかりやらせてます(笑)。
なお、この第2巻でも、WEB公開版にはないエピローグが収録されている他、やはりキャラ全体にちょっとだけ手を加えています。
※カソクキッズの試し読みは、高エネルギー加速器研究機構のWEBサイト上でどうぞ。試すも何も、本編は全部読めます。
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Run 3では、加速器研究の紹介が中心。もっと早く紹介したかったんだけど、読者もボクも1〜2巻までの知識がないとスゴい施設を見てもピンと来ないと思えたので、この3巻まで引っ張ることになりました。巨大な粒子加速器と測定器、ニュートリノ実験、特別な光=放射光を使った研究、そして世界各国の加速器研究とその未来。こうした専門的で一般の人には知られにくい様々な科学の取り組みを、時にマジメに、主にチャカしながらキッズたちは学んでいきます。でも、これまで通り基本的にギャグ漫画だし、科学が苦手な人向けに描かれているから、難しくはなりません。
なお、Run 3にもWEB版にはないオマケ4コマを収録し、本編キャラ絵の加筆修正を行っています。
※カソクキッズの試し読みは、高エネルギー加速器研究機構のWEBサイト上でどうぞ。試すも何も、本編は全部読めます。
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Run 4はSF編。舞台は地球を遠く離れた未来のスペースコロニーに移り「科学的に正しくない設定の科学的に正しいギャグ漫画」として、これまで扱えなかったテーマに挑んでいきます。ワープやタイムマシンは実現できるのか、身近だと思っていた重力の本当の姿とは、ブラックホール、次元とは何か、超ひも理論、暗黒物質と呼ばれる未知の物質ダークマター、ダークエネルギーの謎、挙句に宇宙人実在の可能性まで探ってしまいます。ギャグ漫画だからトンデモなくて無茶苦茶に思えるバカ解釈も出てくるけれど、どれもこれも本物の(しかもノーベル賞を本当に受賞した研究者が所属する研究機関の)研究者集団の監修を受けた上で描いているので、どんなにアホらしくても本当なんですよ。
今回もWEB版にないエピローグが入っています。ネームの段階ではアニメ「宝島」のジョン・シルバーっぽいのをイメージしていたんだけど、出来上がってみたら銀英伝っぽかったという、何を言ってんだかわからないエンディングです。
あ、本編キャラの加筆ももちろんやってますよ。
※カソクキッズの試し読みは、高エネルギー加速器研究機構のWEBサイト上でどうぞ。試すも何も、本編は全部読めます。
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ついにファーストシーズン最終巻のRun 5。ここでは今までのまとめとして、キッズたちそれぞれが今までに学んだことを発表するという形式でエピソードが進んでいきます。宇宙誕生から1秒にも満たない時に何が起こっていたのか。様々な素粒子の種類や特徴とは。加速器研究でわかったこととは。ゼロをイチにする科学研究の意義とは。最先端の素粒子物理学を学び続けた主人公たちが得たものとは。
ギャグ漫画だから相変わらずのバカ展開だけど、科学には徹底的にガチ。勉強のためなんかじゃなく、本当の科学がどれほど楽しいか、ワクワクできるかを感じて欲しいと念じて描きました。特に27話を描いている最中に東日本大震災が起こり、関係者との連絡が途絶えたり、スタッフの故郷(宮城県石巻市)が大変なことになって家族の安否が不明になったりしたのは忘れがたい記憶です。不安の中で「地震なんかに負けられない。今こそ描かなきゃ。みんなはきっと無事だ。描いて、何が何でも公開して、ボクらの日常は何も失われていないと伝えるんだ」と熱くなって打ち込んでいました。数週間後、すべての関係者、スタッフの家族の無事が確認され、KEKのWEBサーバーも復旧できて、いつも通りに公開できましたが、この作品は本当に多くの人に支えられて描くことができたのです。
実質的な最終回となる29話は、第1話を描いたときから「こう描こう」と思っていた通りに描くことができました。紆余曲折はたくさんあったけど、思い描いていたままのラストシーンに辿り着けたときは本当に感慨深かったです。
あ、この第5巻だけはWEB公開版と基本的に同じ(一部のキャラ絵にちょっと手を加えた程度)で、追加エピソードなどはありません。何も足さない、何も引かない。そういうふうに描けたんですよ(笑)。
※カソクキッズの試し読みは、高エネルギー加速器研究機構のWEBサイト上でどうぞ。試すも何も、本編は全部読めます。
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